いきがい村 ご挨拶

           

 

いきがい村の春2024
石井正三

暖かい冬の後、寒さがぶり返して桜の開花が遅れ、ソメイヨシノやヤマザクラなどが慌ただしく一斉に咲き誇る春となりました。
コロナやインフルエンザなど冬の流行が、軽症・沈静化の兆しを見せ、円安のご利益に外国人観光客が日本に押し寄せてます。スギ花粉症に加え黄砂の飛来で良い事づくめとは行きませんが、足掛け4年の緊張感と不自由さからは漸く解放されて来ました。
世界の情勢を見れば、地域紛争はそれぞれ激しくなって第三次大戦前夜のような危険な状況です。また正月の能登半島地震・津波など自然災害も引き続き起ってます。本格的高齢社会を迎えた日本において、万が一に備えた心配りと、情報を共有し助け合いの精神を忘れないことは一層大切です。
明治維新を契機に度量衡を欧米標準に変わっただけでなく、混じり合い溶け合って争いに持ち込まない社会だったところに、ルールに基づく競争原理が強くなりました。いつの間にか科学偏重の発想に馴れ、この国で長く培われた良き伝統を軽んじる傾向が見られるのは、残念なことです。
肩寄せ合って困難に対処した大家族制度が核家族化へと移り変わり、本格的高齢社会を支えるため医療保険制度に高齢者保険を加え、さらに介護保険制度を創設して生活支援が導入されました。この制度は高齢者のためなのですが、ご家族の社会活動も可能にするなどの意義もあります。
今回は、健康保険・介護保険・社会保障を含めた大きな改訂が決定されました。社会保障費の増加を抑制しようという方向が強かったために、医療・介護の現場においてはより一層の努力が求められます。利用者やそのご家族のご希望を包括して、それに応じた現場対応の方法論を模索する必要があります。医療や介護の分野では、多様化する個別の具体的な要望にマッチングさせながら、十分な配慮をすることが望ましいのです。多職種の現場での風通しを良くし、柔軟な対応を心がけ、DXの導入など近未来に向けた方向にも目配りが必要です。
人間はコンクリートジャングルでは暮らせません。いきがい村の緑豊かな自然に囲まれながら、それぞれが時代の利便性を享受できる生活を構築して暮らすことが大切です。今年の春を感じながら、改めて日本は良い国、いわきは素晴らしい所だと実感します。新年度に新たな仲間を迎え入れながら、地域社会を含め皆んなで良い時間を過ごせるように努めましょう。